全身麻酔による手術後の要観察期
【患者状態】
①全身麻酔による影響下にあり全身の状態が抑制されている状態
②意識混濁が続いている状態
③出血 浸出液が多く,ショックが予測される状態
【看護目標】
①早期に全身麻酔から離脱し全身状態の回復を図る
【処置援助】
①呼吸 :ベンチレーター 気管内挿管 酸素吸入 肺理学療法 気管支ファイバー 気管切開 人工呼吸
②循環 :輸血 輸液 IVH 循環作動薬 モニタリング 除細動 各ドレナージ 排尿カテーテル
③出血 :止血処置 包帯交換 ドレーン 輸血
④全身状態:血液透析 持続吸引 牽引 血漿交換 高気圧酸素療法 交換輸血 持続洗浄 クベース収容 インファントウォーマー
【看護援助】
1.観察
①意識 :意識レベル 不穏状態 精神症状
②呼吸 :呼吸抑制 異常呼吸 呼吸困難 去痰困難 肺雑音 喘鳴
③循環 :血圧変動 末梢循環不全 尿流出 不整脈 徐脈 頻脈 CVP 浸出液 出血 浮腫
④消化器:嘔気 嘔吐 腹部膨満 腸蠕動 排ガス 排便 出血
⑤神経 :瞳孔 麻痺 神経脱落症状
⑥全身状態:疼痛 麻痺
2.ケア
①呼吸 :吸引 ネブライザー 呼吸音聴取 呼吸数測定
②循環 :血圧測定 脈拍測定 時間尿測定 モニターチェック
③消化器:腸蠕動音聴取 排気
④精神 :不安の除去
⑤全身状態:安静 保温 体温測定 バランスチェック 清拭 口腔ケア 排泄介助 環境整備 体位交換
局所麻酔による手術後の要観察期
【患者状態】
①局所麻酔薬の作用による重篤な状態
②意識混濁がある状態
③バイタルサインが不安定な状態
【看護目標】
①全身状態の回復を図る
【処置援助】
①呼吸 :ベンチレーター 気管内挿管 酸素吸入 気管切開 気管支ファイバー 肺理学療法 人工呼吸
②循環 :輸血 輸液 IVH 循環作動薬 モニタリング 除細動 各ドレナージ 排尿カテーテル
③出血 :止血処置 包帯交換 ドレーン 輸血
④全身状態:血液透析 持続吸引 牽引 血漿交換 交換輸血 持続洗浄 インファントウォーマー クベース収容 高気圧酸素療法
【看護援助】
1.観察
①意識 :意識レベル 不穏状態 精神症状
②呼吸 :呼吸抑制 異常呼吸 呼吸困難 去痰困難 肺雑音 喘鳴
③循環 :血圧変動 末梢循環不全 尿流出 不整脈 徐脈 頻脈 CVP 浸出液 出血 浮腫
④消化器:嘔気 嘔吐 腹部膨満 腸蠕動 排ガス 排便 出血
⑤神経 :瞳孔 麻痺 神経脱落症状
⑥全身状態:疼痛 発熱
2.ケア
①呼吸 :吸引 ネブライザー 呼吸音聴取 呼吸数測定
②循環 :血圧測定 脈拍測定 時間尿測定 モニターチェック
③消化器:排気 腸蠕動音聴取
④精神 :不安の除去
⑤全身状態:安静 保温 体温測定 バランスチェック 清拭 口腔ケア 排泄介助 環境整備 体位交換
手術後で綿密な観察を要す
アメリカの肥満の主な効果
【患者状態】
①麻酔薬の影響より脱却しているが全身状態が不良である状態
②合併症を併発している状態
③手術の影響により各種の自覚症状が強い状態
【看護目標】
①異常の早期発見に努め全身状態の改善を図る
【処置援助】
①呼吸 :ベンチレーター 酸素吸入 気管内挿管 気管切開 気管支ファイバー 肺理学療法 人工呼吸
②循環 :輸血 輸液 IVH 循環作動薬 モニタリング 除細動 各ドレナージ 排尿カテーテル
③出血 :止血処置 包帯交換 ドレーン 輸血
④全身状態:血液透析 持続吸引 牽引 血漿交換 持続洗浄 高気圧酸素療法 インファントウォーマー クベース収容
【看護援助】
1.観察
①意識 :意識レベル 不穏状態 精神症状
②呼吸 :呼吸抑制 異常呼吸 呼吸困難 去痰困難 肺雑音 喘鳴
③循環 :血圧変動 末梢循環不全 尿流出 不整脈 徐脈 頻脈 CVP 浸出液 出血 浮腫
④消化器:嘔気 嘔吐 腹部膨満 腸蠕動 排ガス 排便 出血
⑤神経 :瞳孔 麻痺 神経脱落症状
⑥全身状態:疼痛 発熱
2.ケア
①呼吸 :吸引 ネブライザー 呼吸音聴取 呼吸数測定
②循環 :血圧測定 脈拍測定 時間尿測定 モニターチェック
③消化器:腸蠕動音聴取 排気
④精神 :不安の除去
⑤全身状態:安静 保温 体温測定 バランスチェック 口腔ケア 清拭 排泄介助 環境整備 体位交換
手術後であり断続的な観察を要す
【患者状態】
①術後合併症を併発している状態 ②創が治癒していない状態
③ADL介助が必要な状態 ④IVHを挿入している状態
⑤各種症状が断続的にある状態(疼痛 悪心 嘔吐 発熱 発汗 口渇 呼吸器症状 消化器症状 神経症状 全身倦怠感 疲労感等
⑥侵襲の少ない手術の状態 ⑦各種チューブを挿入している状態
【看護目標】
①身体的,精神的な術後侵襲より早く回復するよう援助する
【処置・援助】
①呼吸:酸素吸入
②循環:輸液 輸血 中心静脈栄養(IVH)
③出血:包帯交換
④全身状態:各種検査 硬膜外チューブ 排尿チューブ ドレナージ 穿刺 牽引 点眼 各種X線 ギプス固定 洗浄
【看護援助】
1.観察
①呼吸:呼吸困難 喘鳴 吃逆 肺雑音 無気肺
②循環:不整脈 徐脈 頻脈 胸内苦悶
③消化器:嘔気 嘔吐 腹部膨満 排ガス 排便 腸蠕動
④神経:知覚 運動 しびれ感 嚥下障害 痙攣 精神症状
⑤出血:喀血 下血 皮下出血 吐血 タール便 創出血
⑥全身状態:疼痛 発熱 栄養状態 発汗 バイタルサイン 創痛 浸出液 嗄声 排尿困難
2.ケア
①呼吸:ネブライザー 吸引 肺理学療法
②循環:血圧測定 尿量測定 バランスチェック 導尿 膀胱訓練
③消化器:排泄介助 排気 熱気浴 メントール湿布
④精神:不安の除去
⑤全身状態:保温 マッサージ 創保護 与薬 罨法 環境整備 保清 ADL介助 食事介助
⑥教育指導:排泄指導 食事指導 家族指導 リハビリテーション ストーマケア
手術後の回復期で日常生活に支障がない
患者状態】
①手術後であるが日常生活が自立し介助を要しない状態
②創部は完治している状態
【看護目標】
①体力の回復を計り、リハビリテ-ションを行う
【処置援助】
①循環:輸液
②全身状態:各種検査 与薬
【看護援助】
1.観察
①全身状態:排泄状態 食事摂取量 各種症状 バイタルサイン
2.ケア
①循環:輸液・輸血管理 尿量チェック
②出血:処置後の確実な止血
③精神:不安の軽減 自覚症状や訴えをよく聞く
④全身状態:各種罨法 処置・検査介助 リハビリテ-ションの援助
⑤指導教育:退院指導 食事指導 日常生活指導 スト-マケア リハビリテ-ション指導
話不安
術後管理
観察 異常と原因 看護援助
呼吸器 1.呼吸数,深さ
2.呼吸音
・ ・ リズム
・ ・ 胸郭の動き
3.努力性呼吸
4.胸レントゲン
5.チアノーゼ
1.無気肺
・ ・ 吸入麻酔剤残存
・ ・ 筋弛緩剤効果遅延
・ ・ 循環不全
・ ・ 術中過換気
2.気道閉塞
・ ・ 舌根沈下
・ ・ 分泌物貯留
・ ・ 喉頭痙攣
3.呼吸抑制
・ ・ 無呼吸と同じ
・ ・ 過度の鎮痛剤
・ ・ 疼痛
4.低酸素
・ ・ 1~3
・ ・ 5.無気肺
・ ・ 分泌物貯留
→気管支閉塞 1.鎮痛
・ ・ 気道の湿潤化
→喀痰排出促進
→気道清浄
2.ガス交換促進工夫
・ ・ 深呼吸
・ ・ トリフロー使用
・ ・ 用手式肺理学療法
・ ・ IPPB
・ ・ セミファーラー位
3.不安軽減
・ ・ 呼吸訓練
→創部離開
・ ・ ドレーン抜管不安
→心配無いと説明
循環器 1.意識
2.四肢の温度
3.呼吸
4.血圧
5.脈拍
6.尿量
7.中心動脈圧
・ ・ 肺動脈圧 1.ショック
・ ・ 出血,脱水
→循環血液・心拍出量↓
2.心不全
・ ・ 1と同じ+低酸素
3.低血圧
・ ・ 2と同じ
・ ・ 心不全
・ ・ 過度の鎮痛・鎮静剤
4.頻脈
・ ・ 低酸素血症
・ ・ 出血の代償反応
・ ・ 体温↑,疼痛,興奮
・ ・ 嘔気嘔吐
5.徐脈
・ ・ 体温,酸素,麻酔代謝↓ 1.適正な輸液管理
・ ・ 液過剰不足に注意
2.輸液療法中のケア
・ ・ チューブ屈曲閉塞防止
・ ・ 感染予防
・ ・ 刺入部の確実な固定
・ ・ 滴下時間調整
3.術後疼痛不安緩和
・ ・ 安楽な体位
・ ・ 鎮痛薬
・ ・ 不安原因明確化
4.抹消循環保持
・ ・ 局所圧迫の除去
・ ・ 保温
・ ・ マッサージ
・ ・ 良肢位保持
・ ・ 体位変換
5.出血性ショック予防
脳神経 1.呼名
→うなずき,返事
2.不穏状態
3.患者の訴え
→自発語 意識障害
・麻酔覚醒遅延
・代謝障害、循環障害
・低酸素血症 ・酸素吸入の確実な投与
・ ・ バイタル測定時
→呼名・指示動作
運動機能障害
・脳神経外科手術操作
・心臓,大動脈手術
→血行遮断
・術中圧迫による麻痺 .
消化器 1.吐物内容と量
2.電解質異常
3.脱水徴候
4.体力消耗
5.脱力倦怠感
6.吐物、誤飲 嘔気嘔吐
・麻酔剤
・急激な体位変換
・術中の薬物
・水分電解質異常
・低酸素による脳乏血
・脳圧亢進
・胃カテーテルの刺激 ・ ・ 顔を横向き→誤飲防止
・ ・ 口腔内吐物除去
・ ・ 不安軽減
・ ・ 適切な輸液管理
1.腹部膨満、腸蠕動異常
・ ・ 麻酔による腸蠕動↓
→消化液ガス・腹水貯留
2.腹腔内手術
・ ・ 長時間腸管露出
・ ・ 電解質異常 ・ ・ バイタル安定
→体位変換,床上運動
・ ・ 腸蠕動促進
・ ・ 不安軽減
・ ・ 蠕動促進薬,坐薬管理
腎泌尿器 1.時間尿
2.カテーテル
3.出納バランス
4.皮膚の乾燥
・ ・ 口渇
5.Hb、Ht
6.BUN,血清K
・ ・ クレアチン 尿量↓
1.急性腎不全、脱水
2.尿留置カテーテル
→屈曲、圧迫、閉塞
3.心不全
4.血圧↓ ・ ・ 水分出納バランス考慮
→速度調節
・ ・ 尿留置カテーテル
→屈曲閉塞の有無
・ ・ 恥骨結合状膀胱充満
術後排尿障害
①創痛→反射的防衛反応
→腹圧欠如
②恥辱→心因性抑制
→交感神経緊張 .
手術創
ドレ|ン . 後出血
・ ・ 不十分止血
・ ・ 出血傾向
・ ・ 機械的刺激
・ ・ 非効果的ドレナージ 1.血液凝固阻止薬中止
→医師の指示のもと考慮
2.出血性ショック徴候
→早期発見
・ ・ 血圧↓,脈拍↑
・ ・ 顔面蒼白
・ ・ 皮膚冷感
・ ・ あくび
3.異常早期発見
・ ・ ドレナージ効果的使用
・ ・ 感染予防
・ ・ ドレーンの扱いに熟知
創感染
・ ・ 術中術後無菌操作
→不徹底
鎮痛薬の科学博覧会プロジェクト
手術直後の患者の観察
胃全摘患者について
観察点 観察項目
1.バイタル
・ ・ 30~60分間隔 ・ ・ 血圧、脈拍、呼吸、意識状態の観察
2.呼吸
・ ・ 酸素供給 ・ ・ 指示酸素投与量の確認
3.疼痛 ・ ・ 鎮痛剤、硬膜外カテーテル注入
4.発熱 ・ ・ Cooling、解熱剤
5.輸液循環 ・ ・ 点滴速度、心電図モニター、CVP測定
6.ドレーンバルーンの処置
・ ・ 胃チューブ吸引
・ ・ 尿量測定
・ ・ ドレーンの位置
・ ・ 排液量 1) 1) 術中の出血、輸液、尿量
→水分出納バランス計算
2) 2) 腹腔ドレーン、胃ゾンテからの後出血に注意
ドレーンの位置や点滴ルートを確認
3) 3) 胃チューブ,経尿道バルーン,各種ドレーン
→挿入部位・接続
4) 4) CVP測定,動脈血ルートの確認
モニター接続,心電図モニター設定
7.体位仰臥位、枕禁止
8.ガーゼ交換
・ ・ 汚染の有無 ・ ・ 疼痛の程度
・ ・ 顔色、爪の色、四肢冷感の有無
9.理学的所見
・ ・ 眼球、眼瞼、結膜色調
・ ・ 四肢の浮腫、温度 ・ ・ ガーゼ汚染の有無
10.検査
・ ・ 血液、尿、X線、血液ガス ・ ・ 舌根沈下、胸郭動
・ ・ 胸部聴診→呼吸音の強さ
11.覚醒、意識 ・ ・ 麻酔からの覚醒状態
・ ・ 呼名に対する反応
・ ・ 指示動作への対応
・ ・ ・覚醒の程度
観察の意義
・ ・ 麻酔覚醒把握
・ ・ 未・半覚醒時の枕使用禁止→舌根沈下予防
・ ・ 気道確保・気道閉塞予防
・ ・ 覚醒時の事故防止
・ ・ 酸素は麻酔覚醒を促進、低酸素状態緩和
・ ・ 合併症予防
観察事項、主な観察ポイント
1. 1. 嘔吐の内容と量
2. 2. 電解質異常
3. 3. 脱水徴候
4. 4. 体力消耗の有無
5. 5. 脱力、倦怠感
6. 6. 吐物、誤飲の有無
7. 7. 合併症について
・ ・ 縫合不全→頻脈、発熱、糞臭を伴うドレーン排液
・ ・ 吻合部出血→胃管チューブからの出血、低血圧、頻脈
・ ・ 吻合部狭窄→通過障害、腹部膨満、嘔吐
・ ・ 後出血→ドレーン、胃ゾンテからの出血
・ ・ その他→イレウス、肺合併症、遺残膿瘍、急性胆嚢炎
8. 8. 胃チューブの管理→ガス排出、排液の量・性状
①胃蠕動確認、②腹部膨満・嘔吐・悪心が無い→抜去
9. 9. 体液電解質補正→不感蒸泄・尿量を参考
10. 10. 腸管麻痺回復援助→イレウス有無、腸蠕動・排ガス
11. 11. 栄養→抜去当日の水分、その後の粥食の摂取状況
12. 12. 活動→体位変換,歩行訓練,深呼吸等の活動レベル
13. 13. 水分出納→摂取量と排泄量
14. 14. 後出血→創部出血、吸引排液の性状
15. 15. 早期離床→呼吸状態、体力等観察しながら進める
16. 16. X線→無気肺、肺炎などに注意
17. 17. 化学検査→貧血、WBC、左方移動、肝・腎機能
18. 18. 麻酔からの覚醒状態
・ ・ 呼びかけに対する反応
・ ・ 指示動作への対応
・ ・ 酸素投与量が適当か確認
観察の意義、必要性
1.術後合併症の予防
・ ・ 徴候は患者のそばにいる看護者によって発見されやすい
2.胃チューフ゛管理
・ ・ 排液の量・性状の把握、ドレーン抜去時期を見極める
3.栄養
・ ・ 摂取状況観察は、回復状態把握・献立計画等に反映
4.腸蠕動、排ガス
・ ・ 回復状況、合併症発症の危険性等の重要な指標
5.麻酔関連
・ ・ 意識レベルの観察→麻酔からの覚醒を把握
・ ・ 半覚醒時の枕禁止→気道確保、閉塞予防
・ ・ 患者のそばを長期離れない→覚醒時の事故防止
・ ・ 酸素は麻酔覚醒を促進
・ ・ 術後の低酸素状態緩和
創部治癒過程
時期 段階 看護
血液凝固期 術後数時間 ①止血
②凝固
※合併:術後出血 術後出血
①24h(interval:2h)
・ ・ 創部・ドレーン排液・バイタル
②出血有無
・ ・ ガーゼ→滲出液性状と量
→(血性・淡血性・淡々血性・淡黄色)
③深部出血
1. 1. ドレーンからの出血→100ml/h↑注意
2. 2. バイタル→血圧↓・脈拍↑・意識↓
→出血多量→ショック
④出血→不安・恐怖→説明
⑤血圧上昇→出血助長→因子除去
炎症期 術後3日間 ①食作用
②上皮化
※合併:術後出血
増殖期 術後3週間 ①繊維芽細胞増生
・ ・ コラーゲン産生
→肉芽細胞形成
②ネットワーク形成
→毛細血管創部侵入
③抜糸(7日目)
※合併:創部感染,離開 感染
①創部の熱感・腫脹・発赤→皮下感染
→痛み・違和感
②細菌→敗血症
→急な発熱・ドレーン挿入部痛→注意
③創部処置、ドレーン扱い→無菌
. 離開
①通常→癒合(5日)
→滲出液少→淡血,淡々血量が減らない
→注意
②癒合遅れ→抜糸遅延
→創部圧力防止(腹圧等→腹帯)
③離開→ガーゼ→(腹術→腸管脱出)
④栄養補給
成熟期 2週~数ケ月 ①繊維芽細胞
→繊維細胞へ
②コラーゲン再構築
→抗張力増加 日常生活へ向けての看護
術後痛
術後痛の心身に及ぼす影響
1. 1. 呼吸 気管支攣縮、胸腹筋痙攣、肺活量↓
体位変換・咳嗽反射・深呼吸抑制
→低換気、無気肺
2. 2. 交感神経刺激 血管収縮,心拍出量↑,頻脈,高血圧,末梢血管抵抗性↑
→心負荷↑、うっ血性心不全
3. 3. 心筋酸素消費量↑ 心筋虚血の危険
4. 4. タンパク質
異化作用亢進 窒素バランス(-)
→体力回復遅延
5. 5. 消化管運動↓ 胃腸管運動↓
→嘔気嘔吐、麻痺性イレウス
6. 6. 早期離床阻害 体動制限
→腰背部痛、筋肉痛、血栓症、静脈炎、回復遅延
7. 7. 精神的ストレス 心理的影響
→不安、恐れ、回復意欲欠如
8. 8. 尿路機能↓ 排尿困難、尿量↓
看護援助
術後疼痛管理
• 強い痛みが出る前に持続的に処置
• 鎮痛薬の投与
• 患者管理疼痛法の実施
• 合併症の発生も予防→入院期間短縮
疼痛増強要因を減らす
• 創部を押さえて保護→せき、喀痰時の痛み緩和
• ドレーン・チューブの管理→減圧、固定、低圧持続吸引
• 冷・温罨法使用→循環促進、爽快感
• マッサージ・体位の工夫→筋肉痛・こりの緩和、安楽
疼痛過程
第1期24時間以内
• • 麻酔覚醒期4~9時間後もっとも強い
• • 我慢→換気障害による肺、循環器の合併症を起こしやすい
• • 傷の治癒機転も傷害される
• • 早めに十分な鎮痛を図る
第2期~3日ごろ
• • 痛みは断続的、軽減。
• • 体動関連痛
• • 過剰な安静による腰や背中の痛み
• • 痰の喀出に伴う痛み
第3期~5日頃
• • 腸管運動痛→やがて消失
• • 感染、縫合不全、器具の体内遺残などの痛み
• • 合併症痛
離床
離床の目安
・ ・ 離床時期は術式、侵襲度、術後経過をまとめて判断
・ ・ 重症・全身不良・術後出血患者は慎重に判断
術式 術後病日
・ 甲状腺亜全摘術 1~2
・ 非定型乳房切除術 1~2
・ 肺切除術 1~2
・ 食道部分切除、食道吻合術 5~7
・ 胃切除術 1~2
・ 半結腸切除術 1~2
・ 腹会陰式直腸切除術 2~3
・ 膵頭十二指腸切除術 2~3
・ 肝部分切除術 2~3
・ 腹腔鏡下胆嚢摘出術 当日~1
・ 虫垂切除術 1
・ ヘルニア根治術 1
早期離床
・ ・ 諸事情:周りへの遠慮,処置への忠誠,離床の不安,感受性↓→不必要な安静
1)長期臥床による弊害
. 弊害 観察点
精神 廃用性症候群
無欲、うつ 悲観的・否定的発言
過剰睡眠、不定愁訴
痴呆 危険行動、脳血管障害との判別
肺機能 無気肺、沈下性肺炎 血液ガスデータ
咳痰、発熱、ラ音、X線
循環 起立性低血圧 血圧変動、冷汗、動悸、めまい
労作時症状、創部への不安
褥瘡、浮腫 腰、臀部、下肢
血栓性静脈炎
静脈血栓症
→肺塞栓の危険 微熱、腓腹筋緊張
動脈血栓症 足背動脈触知不良、しびれ、色
排泄 便秘 排出量、排出力、
排便困難素因(疼痛→腹圧↓)
体位異常、トイレ問題
失禁 残尿、残便、排泄時間間隔
身体寝衣清潔
運動 筋萎縮、関節拘縮
骨の萎縮、尖足
→歩行困難 運動可能状態かどうか
腓骨神経麻痺 下肢左右比較、麻痺性尖足
• 高齢者の低活動は悪影響→寝たきり
• 筋力低下は1日安静により1.5~3%↓
2)早期離床の目的と効果
目的 効果
肺合併症予防 1.横隔膜を下げ、呼吸面積↑
2.酸素消費量↑、呼吸運動↑、喀痰促進
循環促進 1.静脈うっ滞防止、静脈血栓・下肢深部静脈炎予防
2.心拍出量↑、毛細血管血流↑、創部治癒
3.全身循環↑、全身機能回復
4.局所圧迫防止、褥瘡・皮膚障害予防
5.血圧変動抑制、起立性低血圧予防
消化管運動促進 1.腸蠕動促進,排ガス誘発,イレウス・癒着防止
2.胃チューブ抜去→経口摂取
排尿障害予防 ・腹圧→自然排尿促進
骨・筋衰退防止 1.筋力低下・腱萎縮・関節拘縮防止
2.骨吸収防止
精神活動活発化 1.刺激増大、意欲向上
2.気分転換、ストレス軽減
離床方法
患者に負担のかからない、循環状態を留意した方法
ベッド上 体位変換、上下肢の屈伸
セミファーラー位 起立性低血圧予防,めまい
冷汗,悪心,顔色,脈拍
起坐位 上半身を起こす
→下肢を床へおろす→ベッド上へ自力で坐位
立位 ベッド周囲の歩行、必要に会わせ介助
→自力歩行→時間距離を徐々に延長
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