高齢化を最大のチャンスと捉える発想が今こそ必要
今、日本は低迷する経済に加え、少子高齢化や雇用不安、所得格差などの社会問題も山積しています。これらは社会不安の要因であり、経済的にだけでなく精神的にもさらに日本を疲弊させる要因にもなっているのです。
特に、日本の高齢化は世界で類を見ないスピードで進行しており、これによる国の医療費や年金支出の急激な増大は社会保障制度の存続自体を危うくさせる、社会不安の大きな要因となっています。
そのため、高齢者だけでなく、次世代を担う若者にも将来の不透明感から閉塞感が漂っているのです。
しかし、視点を変えてみれば日本の高齢化は決して悪いことだけではありません。高齢者をターゲットとした市場は低迷する日本市場の中でも確実に成長していく数少ない分野であり、そのニーズを満たす商品やサービスはまだまだ未発達なのです。
予測を遥かに凌ぐスピードで既に100兆円市場達成
医療、保健、介護などの需要に加え、それに付随するサービスや一般消費活動によって生まれる国内市場は、三菱総研の予測した2020年ではなく、一昨年の2011年度に、9年も早く前倒しで100兆円という大台に乗せてしまったのです。
2012年度は、団塊世代約800万人がすべて定年&年金支給開始年度に当たり、起死回生の経済成長の起爆剤としての期待と関心が再び一気に高まって来たのです。
保険の減量拒否を助ける
そのせいか、最近ではほぼ毎日のように新聞やテレビの番組の中でもシニア市場や少子高齢化、人口減少社会の中で唯一成長する高齢者人口とその市場についてのニュースや記事、特集番組が目に付くようになり、その露出頻度が高まっているのです。
100兆円という莫大な規模に成長したシニア市場(高齢者市場)をターゲットとした内需主導型のビジネスモデルは、輸出に依存しすぎた日本産業界の収益安定化、そして疲弊した日本経済を立て直す上で非常に重要と言えるし、そう考えざるを得ない規模にまで成長したのです。
「日本はもう一度世界をリードできる」、ピーター・F・ドラッカー
さらに、高齢化という問題は日本だけのものではなく、先進国も同様に抱える問題であり、いずれは新興国も直面する世界的な課題であるのは間違いないのです。
世界に先駆けて高齢化が進んでいる日本。そこに新しいビジネスモデルが出来れば、もう一度、日本は世界をリードできる、そう言ったのは、あの世界一の経営学者であったピーター・F・ドラッカーでした。
したがって、日本は世界に先駆けて高齢化社会に対応した新産業・新社会体制を試すことのできる貴重なテストフィールドであり、これにうまく対応した産業や社会システムを構築できれば、世界に向けて新商品・新サービスをいち早く発信することができる大きな可能性を秘めている、と言う事が出来るのです。
日本は「高齢化率」、「高齢化スピード」、「平均寿命」の三冠王
高齢者の間で落ちる
日本と同様に高齢化問題を抱える先進国は、高齢化社会(高齢化率7~14%)から高齢社会(高齢化率14~21%)へ変わるのに50年以上かかったのに対し、日本はわずか24年(1970年から1994年)で到達しているのです。
さらに、日本人の平均寿命は83歳と世界で最も高く、日本は高齢化率、高齢化スピード、平均寿命、そのどれもが世界一であり、高齢社会タイトル三冠王の国なのです。こんな国は世界にはありません。
一方、総務省の世界統計によると世界の高齢化率は2010年現在で7.6%だが、40年後には16.2%と2倍以上になると予測されており、世界でも高齢化が進んでいるのです。
同統計資料の各国のデータをもとに算出すると、2カ国で世界人口の約4割を占める中国とインドでは、既に65歳以上の人口が合わせて約1.6億人(現在の日本の約5倍)存在しており、40年後には5.5億人(40年後の日本の約16倍)に達することが予測できるのです。
両国とも急速な経済成長遂げているため、将来的には購買力のある高齢者層が急増し、これに伴い日本や他の先進国と同質の高齢者市場が急拡大していくと考えられているのです。
平均寿命-健康寿命=寝たきり期間
日本は世界一平均寿命が高い国なのですが、心身ともに健やかであり、自立した生活が行える状態の「健康寿命」と平均寿命との間には大きな開きがあるのです。
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日本人の平均寿命は男性79歳、女性86歳であるのに対し、健康寿命は男性73歳、女性78歳と実に6年~8年もの開きがあるのです。病気やけがなどにより身体的な自由を失ってしまうこと、すなわち「寝たきり状態」になってしまうことがその主要因になっているのです。
高齢者にとって、人生の総仕上げの10年~20年間は、健康で内容の充実した豊かな期間であることを誰もが望んでいるのです。ですから、人間として生涯自分の足での二足歩行を続けたい、それでこそ自由に好きな場所へ好きな友と一緒に旅行することだって可能になる、シニアであれば誰でもがそう思っているのです。
しかし、そういう願いとは逆に「寝たきり」になってしまうことは、人生最大の痛みであり、最悪の事態だと考えている訳です。「寝たきり」だけは何としてでも避けたい、そしてピンピン元気で生きて、最後はコロリと終わりたい、そういうピンコロ人生を望んでいるし、それが最大のニーズではないかということは、あらゆる調査が証明しているのです。
シニアの健康面の主たる悩みは「肩、腰、膝の痛み」
寝たきりの原因で最も多いのはここ数十年間、脳卒中であったのですが、次いで多いのは骨折や関節疾患であり、近年、急激に増加し脳卒中に近づいていると言われているのです。
また、60歳以上を対象に行ったアンケート調査によると、最も困っている健康上の問題は「肩、腰、膝の痛み」であり、これらの症状は高齢者を悩ませる主要な健康課題といえるのです。
こうした関節疾患は関節を構成する骨(膝関節の場合は大腿骨と脛骨)の表面にある関節軟骨が、体重の増加や過度の運動により磨り減ることで骨同士がぶつかり、炎症を起こすことに起因するのです。また、高齢者では、関節液に含まれているスポンジのように働くヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などのムコ多糖が減少するため、関節にかかる力を吸収し分散する緩衝作用が低下するのです。これらの要因により自己修復が不可能な状態になると重度の関節疾患となるのです。
"治療"に加えてその"予防"を達成させる商品・サービスのビジネスモデルは大化けする
高齢者のQOL(生活の質=クオリティ・オブ・ライフ)を向上し、より活動的で充実した生活をおくるためには、以上のような健康課題の"治療"に加えてその"予防"が大切であり、両方がともに達成される必要があるのです。
そのように考えて来ると、高齢者が不安に思うこのような健康課題について、その解決策を提供できる"予防型"の商品やサービスに関する事業分野には、シニア市場をターゲットとするビジネスの中でも特に成長が期待できると考えて良いのではないでしょうか。
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